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駐車場経営
2026.03.19
自走式駐車場の基礎知識|費用・修繕・税金対策までわかりやすく解説

立体駐車場にはいくつか種類がありますが、その中でも代表的なのが【自走式立体駐車場】です。

土地活用として駐車場を検討する場合だけでなく、商業施設や医療施設、公共施設などの開発においても、施設の面積や地域特性により、駐車需要を満たす台数を確保するために、自走式駐車場は重要な選択肢の一つになります。

しかし、導入を検討するなかで

  • ・どのような種類があるのか
  • ・建設にはどれくらいの費用がかかるのか
  • ・土地条件や施設用途に適しているのか

こうした点が分からず、計画が進まないケースも少なくありません。

自走式駐車場は、設計・費用・修繕などを事前に整理したうえで計画することが重要です。

本記事では、自走式駐車場の仕組みや種類、建設費用や修繕など、導入や計画を検討する際に知っておきたいポイントを分かりやすく整理して解説します。

自走式駐車場とはどんな駐車場?

自走式駐車場とは、利用者が自分で場内を運転して駐車するタイプの立体駐車場を指します。

ショッピングモールや宿泊施設、大型病院などでよく見られる駐車場形式で、限られた土地でも多くの車を収容できることが特徴です。

ここではまず、自走式駐車場の基本的な仕組みと、ほかの駐車場形式との違いについて整理します。

自走式駐車場の仕組みと特徴

自走式駐車場は、スロープを使ってフロアを移動し、空いている駐車スペースに車を停める仕組みの駐車場です。

機械設備を使わず、利用者自身が車を運転して駐車します。

そのため、機械式駐車場のような入出庫の待ち時間が少なく、スムーズに利用できる点が特徴です。

また、車両サイズの制限も比較的緩いため、さまざまな車種に対応しやすい駐車場形式といえます。

一方で、建物として駐車場を立体化する必要があるため、平面駐車場と比べると建設費用は高くなる傾向があります。

そのため、土地条件や収益性を踏まえた計画が重要になります。

平面駐車場・機械式との比較

駐車場には、自走式駐車場のほかに「平面駐車場」と「機械式駐車場」があります。

平面駐車場は、平地をそのまま利用するシンプルな構造で、初期費用を抑えやすい点が特徴です。

ただし、駐車できる台数は土地の広さに大きく左右されます。

機械式駐車場は、自走式と同じ立体駐車場の一種で、装置を使って車を上下に収納する形式の駐車場です。

狭い土地でも多くの車を収容できますが、設備の維持管理や修繕が必要になります。

一方、自走式駐車場は、建物として駐車場を立体化し、利用者が自ら車を運転して駐車する形式です。

機械設備を使わないため利用しやすく、収容効率と利便性のバランスが取りやすい点がメリットです。

どんなケースで自走式が選ばれるのか

自走式駐車場は、次のようなケースで導入されることが多い駐車場です。

  • ・来場者が多い商業施設
  • ・病院や公共施設などの駐車場
  • ・平面駐車場では収容台数が足りない土地

特に、利用者の出入りが多い施設では、入出庫のしやすさや回転率が重要になります。

そのため、施設開発時の駐車場計画において、自走式駐車場が選択肢として検討されるケースも多くあります。

ただし、建設費用や土地条件によっては、平面駐車場や機械式駐車場の方が適している場合もあります。

そのため、土地の広さや施設の利用状況、必要な収容台数などを踏まえ、最適な駐車場形式を検討することが大切です。

自走式駐車場の種類

自走式駐車場には主に、次の3つの種類があります。

  • ・フラット式
  • ・スキップ式
  • ・連続傾床式

それぞれ構造や駐車のしやすさ、必要な土地条件が異なります。

各形式で、施設の利用者層や利用状況を踏まえて設計することが重要になります。

フラット式

フラット式は、自走式駐車場の中で最も一般的な形式です。

各階が水平な床で構成され、スロープを使って上下階を移動します。

駐車スペースが広く、スロープと駐車スペースの動線を分けて設計できるため、安全性を確保しやすい点が特徴です。

ショッピングモールや大型店舗、病院など、多くの利用者が出入りする施設で採用されることが多い形式です。

ただし、スロープを設置するためのスペースが必要になるため、ある程度の敷地面積が求められます。

スキップ式

スキップ式は、駐車スペースを半階ずつ段違いに配置した構造の駐車場です。

スロープが短いため運転しやすく、一定方向に巡回できるため空きスペースを見つけやすい構造になっています。

また、建物の高さを抑えやすく、敷地条件に合わせた設計がしやすい点もメリットです。

そのため、比較的敷地が限られている土地や、傾斜地などで採用されるケースがあります。

連続傾床式

連続傾床式は、各フロアが連続した傾斜床で構成されており、スロープと駐車スペースが一体になっている、らせん型の駐車場です。

スロープを別に設ける必要がないため、建物面積を効率よく使うことができます。

そのため、限られた敷地でも比較的多くの車を収容しやすい構造です。

一方で、床に傾斜があるため、利用者によっては駐車しづらさを感じることもあります。

それぞれの形式で、施設の利用者層や利用状況を踏まえて設計することが重要になります。

自走式駐車場を導入する8つのメリットと注意点

自走式駐車場は、収容台数の確保や利用のしやすさなど、多くのメリットがある駐車場形式です。

一方で、土地条件や施設の利用状況によっては注意すべき点もあります。

ここからは、自走式駐車場を導入する主なメリットと、あわせて知っておきたいポイントを整理して解説します。

入出庫がスムーズで回転率が高い

自走式駐車場は、利用者が自分で車を運転して駐車するため、入出庫が比較的スムーズです。

機械式駐車場のように装置の操作を待つ必要がないため、待ち時間が少なくなります。

特に、来場者の出入りが多い施設では、駐車場の回転率を高めやすい点がメリットです。

多くの台数を収容できる

自走式駐車場は、建物として駐車場を立体化するため、平面駐車場より多くの車を収容できます。

また、機械式駐車場のような車両サイズの制限も比較的少なく、さまざまな車種に対応しやすい点も特徴です。

ただし、建設費用は平面駐車場より高くなるため、収益性を踏まえた計画が重要になります。

不正利用・迷惑駐車の対策ができる

自走式駐車場では、不正利用や迷惑駐車が発生するケースもあります。

こうしたトラブルは、管理体制や設備によって対策することが可能です。

監視カメラの設置や巡回、料金管理などを適切に行うことで、不正駐車の抑止につながります。

災害時でも利用しやすい

自走式駐車場では、停電時でも車の出し入れをすることができます。

また、屋根のある構造で水が滞留しにくく、開放性が高いため豪雨による水没や津波などの被害を受けにくいとされています。

近年は、国土交通大臣から防耐火の認定を受けた自走式駐車場も増えており、国土交通大臣認定工法で施工された駐車場には「認定品表示板」が設置されています。

荷物の出し入れがしやすい

駐車した状態で荷物の出し入れがしやすい点も特徴の一つです。

そのため、買い物利用の多いショッピングモールなどでは、利用者の利便性が高い駐車場形式といえます。

機械式駐車場の場合は、一度車を出さなければ荷物の出し入れができないため、この点は自走式の方が使いやすいといえます。

入出庫時の待ち時間が少ない

機械式駐車場では、前の利用者の操作が終わるまで待つ必要があります。

自走式駐車場ではそのような待ち時間が発生しにくく、スムーズに入出庫できます。

特に利用者が多い施設では、この点が大きなメリットになります。

メンテナンス・修繕費用が抑えやすい

自走式駐車場は機械設備が少ないため、機械式駐車場に比べると設備故障のリスクが少ないとされています。

そのため、長期的なメンテナンス費用を抑えやすい場合があります。

ただし、建物の老朽化に伴う修繕は必要になるため、定期的な点検や修繕計画は欠かせません。

管理委託で運営負担を軽減できる

駐車場の運営では、清掃や設備点検、トラブル対応などの管理業務が発生します。

これらを管理会社に委託することで、運営負担を軽減することができます。

ただし、委託内容や契約条件によって管理範囲が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

自走式立体駐車場設計でおさえておくべきポイント

自走式駐車場を建設する際は、土地条件だけでなく、法規制や安全基準なども踏まえて設計する必要があります。

特に、建築基準法や駐車場法などの法令に適合した設計が求められます。

そのポイントを解説します。

建築基準法・駐車場法の規制

自走式駐車場は建物として扱われるため、「建築基準法」の規制を受けます。

例えば、耐震性能や耐火構造、避難経路の確保など、安全性に関する基準を満たす必要があります。

また、一定規模以上の駐車場では「駐車場法」の対象となる場合があります。

駐車場法とは、駐車場の安全性や利用のしやすさを確保するためのルールを定めた法律です。

この法律では、駐車区画のサイズや通路幅、スロープの勾配などについて基準が定められています。

これらの基準は利用者の安全性や使いやすさにも関わるため、計画段階から法規制を踏まえて設計することが重要です。

バリアフリー新法

商業施設や病院、公共施設などの駐車場では、バリアフリーへの配慮も必要になります。

例えば、車いす利用者用の駐車スペースを設けたり、段差の少ない通路を確保したりすることが求められます。

これは、高齢者や障がい者が施設を利用しやすくするための法律である

「バリアフリー新法(高齢者・障害者等移動等円滑化法)」に基づくものです。

施設の用途や規模によっては、この法律に沿った整備が必要になる場合があります。

認定駐車場(国土交通大臣認定)について

自走式駐車場の中には、国土交通大臣の認定を受けた工法で施工されるものがあります。

これは、防耐火性能などの安全基準を満たした構造として認定された駐車場です。

一般社団法人日本自走式駐車場工業会では、こうした工法で施工された駐車場に「認定品表示板」を設置しています。

この表示があることで、国の基準に基づいた工法で建設されたことを示す目印となります。

自走式駐車場の建設費用と見積もりの目安

自走式駐車場を検討する際、多くの方が気になるのが建設費用です。

ただし、駐車場の規模や構造、敷地条件によって費用は大きく変わります。

また、建設費だけでなく、運営管理費や将来の修繕費、税金なども含めて検討することが重要です。

建設費用の相場

自走式駐車場の建設費用は、フラット式や連続傾床式などの種類による違いや、ラーメン式、ブレース式といった建物を支える構造方式、駐車場の台数規模によって異なりますが、一般的には1台あたりの建設費は約100万~300万円程度が目安とされています。

※費用はあくまで目安です。規模や条件により変動する場合があります。見積もりは業者によって異なりますのでご注意ください。

例えば、鉄骨造の自走式駐車場の場合、平面駐車場に比べて建設費用は高くなりますが、収容台数を増やせる点が特徴です。

また、階数や敷地形状、設計条件によっても費用は大きく変動します。

そのため、具体的な費用を把握するには、土地条件を踏まえた見積もりを取ることが重要になります。

ランニングコストと将来の修繕費

自走式駐車場では、建設後も維持管理費が発生します。

例えば、固定資産税・都市計画税、清掃や設備点検、照明の電気代などが主なランニングコストになります。

また、建物として利用するため、定期的な修繕も必要になります。 防水工事や塗装工事など、将来的な修繕費を見込んだ長期的な計画を立てておくことが大切です。

減価償却・固定資産税など税金対策

自走式駐車場は建物として扱われるため、固定資産税の対象になります。

また、建設費用は減価償却資産として計上することができます。

減価償却を活用することで、一定期間にわたって費用を分散して計上することが可能です。

税務上の扱いは構造や用途によって異なる場合もあるため、専門家に相談しながら検討することが重要です。

運営管理という選択肢

駐車場を運営する場合、日常管理やトラブル対応などの業務が発生します。

これらを管理会社に委託することで、運営の負担を軽減することができます。

また、駐車場運営会社によっては、土地を借り上げて運営を行う方式もあります。

こうした方法を活用することで、土地オーナーの管理負担を抑えながら駐車場経営を行うことも可能です。

トラストパークの自走式駐車場サポート体制

自走式駐車場は、土地条件や施設用途によって最適な計画が異なります。

そのため、新規の駐車場計画だけでなく、既存駐車場の修繕や見直しについても、早い段階で専門会社に相談することが重要です。

トラストパークでは、自走式駐車場を含む駐車場の計画から運営管理まで幅広くサポートしています。

新規の自走式駐車場では、土地条件や施設の利用状況を踏まえながら、駐車台数や動線、安全性などを総合的に検討し、駐車場計画を提案しています。

また、既存の自走式駐車場についても、老朽化への対応や修繕計画、管理方法の見直しなど、状況に応じた改善提案を行っています。

現地調査から改善提案、契約内容の見直しサポートまで、ワンストップで対応しています。

自走式駐車場の修繕や管理の見直し、新規駐車場の計画などを検討している場合は、まずはお気軽にご相談ください。

見積もりやご提案は無料で行っています。

※立地・エリア等によってはお受けできない場合がございます。

まとめ|設計・費用・修繕を整理し、最適な判断を

自走式駐車場の導入を検討する際は、構造や種類だけでなく、設計条件や建設費用、将来の修繕まで含めて考えることが重要です。

同じ自走式駐車場でも、土地条件や施設用途によって最適な形式や運営方法は大きく変わります。

その違いが、将来的な運営のしやすさや収益性にも影響します。

だからこそ、計画段階から条件を整理し、適切な方法を検討することが欠かせません。

トラストパークでは、自走式駐車場を含む駐車場の計画や運営管理について、土地条件や施設用途に合わせた提案を行っています。

「自走式駐車場の導入を検討している」

「既存駐車場の修繕や改善を検討している」 

長期的に安定した駐車場運営を実現するためにも、まずは状況整理から検討を始めてみてはいかがでしょうか。

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